【失敗談】セブのプレビルドで引き渡し3年遅延した話

「セブのプレビルド物件は割安で魅力的」——そう信じて購入した私は、引き渡し予定日から3年もの遅延を経験しました。この記事では、AFP・宅地建物取引士の資格を持ち、実際にセブで物件を保有する私Christopherが、プレビルド投資の遅延リスクと具体的な対策をすべてお伝えします。セブのプレビルドに興味がある方は、購入前に必ず読んでください。

セブのプレビルド遅延は「起きるもの」と考えるべき結論

一言で言うと「セブのプレビルドは遅延前提で計画せよ」

セブのプレビルド物件で引き渡しが予定通りに完了するケースは、はっきり言って少数派です。私自身が3年の遅延を経験し、周囲の投資仲間にも1〜4年の遅延が多発しています。「遅延するかもしれない」ではなく「遅延する前提」で資金計画を組むべきです。

この結論は悲観論ではありません。リスクを正確に織り込めば、セブのプレビルドは依然として魅力ある投資対象になり得ます。ただし、楽観的なスケジュールだけを信じて突っ込むと、私のように痛い目を見ます。

なぜその結論になるのか——3つの根拠

  • 構造的な問題:フィリピンの建設業界は慢性的な人手不足と許認可の遅れを抱えており、セブでは特に2016年以降の不動産ブームで着工件数が急増し、施工キャパシティが追いついていません。
  • デベロッパーの資金繰り:プレビルドは購入者からの分割払いを建設資金に充てる仕組みです。販売が計画通りに進まないと資金ショートし、工事がストップします。私が購入した物件でもまさにこれが起きました。
  • 法的ペナルティの弱さ:フィリピンではデベロッパーの引き渡し遅延に対する法的制裁が日本ほど厳しくありません。HLURB(現DHSUD)への苦情申立は可能ですが、実際に損害賠償を勝ち取るまでに年単位の時間がかかります。

私がセブのプレビルドで3年遅延を食らった実体験

2017年に購入を決めた時の話——「完成予定2019年末」を信じた過去の自分

私がセブのプレビルド物件を購入したのは2017年のことです。当時、マニラのマカティにも物件を保有しており、フィリピン不動産への手応えを感じていました。セブ・ITパーク近くの新築コンドミニアムで、1ベッドルーム約30平米、価格は約400万ペソ(当時のレートで約880万円)でした。

デベロッパーの営業資料には「2019年第4四半期引き渡し予定」と明記されていました。月々の分割払いは約3万ペソ(約6.6万円)。正直、「2年半後には賃貸に出して家賃収入が入る」と皮算用していた自分が恥ずかしいです。

ところが2019年後半になっても建物の外観すら完成していませんでした。現地エージェントに問い合わせると「あと半年で完成します」との回答。その後、同じ回答を計4回受けました。そして2020年にはコロナ禍で工事が完全にストップし、結局、鍵を受け取れたのは2022年末です。

この間、分割払いは止められません。支払いを止めればデフォルト扱いとなり、それまでの支払い分が没収されるリスクがあるからです。「お金は出ていくのに物件は使えない」——この3年間のストレスは相当なものでした。

3年遅延で実際にいくら損したか——数字で語る

宅建士として冷静に計算すると、私の損失は以下の通りです。

  • 逸失賃料:周辺の同グレード物件の家賃相場は月1.5〜2万ペソ。3年間で約54〜72万ペソ(約120〜160万円)の機会損失が発生しました。
  • 為替差損:2017年の購入時は1ペソ=約2.2円でしたが、支払い途中で円安が進行し、2022年には1ペソ=約2.5円に。総支払額で見ると約40万円の為替差損が生じています。
  • 精神的コスト:数値化できませんが、現地エージェントやデベロッパーとの英語でのやり取り、進捗を確認するために2回渡航した航空券代・宿泊費(合計約15万円)も含めると、見えないコストは馬鹿になりません。

合計すると約175〜215万円の損失です。物件価格880万円に対して約20〜25%。この数字を見て「それでも許容範囲」と思える方だけが、セブのプレビルドに挑むべきです。

セブのプレビルド購入から引き渡しまでの流れと遅延チェックポイント

プレビルド購入の5ステップと各段階の遅延リスク

ステップ 内容 遅延リスク チェックポイント
1. 物件選定・予約 予約金(Reservation Fee)を支払い、ユニットを確保 デベロッパーのHLURB/DHSUD登録番号を確認
2. 売買契約締結 Contract to Sell(CTS)に署名、分割払い開始 契約書の遅延条項(ペナルティ規定)を精読
3. 建設期間 デベロッパーが建設を進行、月次レポートが届く 最大 四半期ごとに現地写真・工程表を要求する
4. 完成・引き渡し通知 Turnover Noticeが届き、残金精算 残金の為替レートを事前に確定させる方法を検討
5. 鍵引き渡し・登記 物件の検査(Inspection)後、鍵を受領。CCT(権利証)発行 内装不備のパンチリストを必ず作成して書面で提出

私の経験上、最も遅延が発生するのはステップ3の建設期間です。ここで1年、2年と平気でずれ込みます。ステップ5のCCT発行も半年〜1年かかることがあり、登記完了まで含めると、契約から実質的なオーナーシップ確立まで7〜8年かかるケースも珍しくありません。

初心者が最初にやるべきこと——デベロッパーの「実績」を調べ尽くす

セブのプレビルドで遅延リスクを最小化するために、初心者がまず取り組むべきは「デベロッパーの過去の引き渡し実績」を徹底調査することです。

具体的には以下を確認してください。

  1. 過去5年間に完成した物件数と、予定通りに引き渡された割合:セブの大手デベロッパー(Ayala Land、SMDC、Megaworldなど)は比較的遅延が短い傾向がありますが、中小デベロッパーは2〜5年の遅延が頻発します。
  2. DHSUDへの苦情件数:フィリピンの住宅規制当局DHSUDのウェブサイトや現地の不動産フォーラム(SkyscraperCityなど)で評判を確認できます。
  3. 財務状況:上場デベロッパーであれば決算書が公開されています。負債比率が高い会社は資金繰りが悪化しやすく、工事遅延に直結します。

私は2017年当時、このリサーチが甘かった。正直に言えば、営業担当の説明と見栄えの良いパンフレットだけで購入を決めてしまいました。AFPとして資産運用のリスク管理を語っている身で、自分自身のデューデリジェンスが不十分だったのは本当に反省しています。[INTERNAL_LINK_1]

セブのプレビルド投資でよくある失敗と実例

よくある失敗3つ——これだけは避けてほしい

  1. 「完成予定日」を信じて他の資金計画を組んでしまう:最も多い失敗です。「2年後に家賃収入が入るから、それを別のローン返済に充てよう」と考えて資金繰りが破綻するパターン。私の知人は、セブのプレビルド家賃を当てにして東京で別の投資を始め、遅延で資金ショートし、セブの物件を損切りしました。
  2. 契約書の遅延条項を読まずにサインする:フィリピンの売買契約書はすべて英語です。遅延時のペナルティ、購入者のキャンセル権、返金条件などが細かく記載されています。「英語だから面倒」と読み飛ばすと、遅延時に何の交渉材料も持てません。
  3. 現地エージェント1社の情報だけで判断する:エージェントはコミッションで動いています。デベロッパーに不利な情報を積極的に開示するインセンティブがありません。最低でも3社以上のエージェントから情報を取り、可能であれば現地の弁護士にも相談すべきです。

私と周囲で実際に起きた失敗——笑えない実例集

私自身の3年遅延に加えて、周囲で起きた事例をいくつか紹介します。

事例1:日本人投資家Aさんの「永遠の建設中」物件
2016年にセブのマクタン島で購入したリゾートコンド。2019年完成予定が、2024年時点でまだ引き渡されていません。デベロッパーはすでに実質的に破綻状態で、DHSUDに苦情を申し立てましたが解決の目処は立っていません。支払い済み総額は約500万円。Aさんは「もう諦めている」と話していました。

事例2:私のマニラ物件との比較
一方、私がマニラのマカティで購入したプレビルド物件は、大手デベロッパーAyala Land傘下のAlveo Landの物件で、遅延は約6カ月に留まりました。セブの中小デベロッパー物件とマニラの大手物件で、ここまで差が出るのかと痛感しました。宅建士として不動産のリスク評価はできるつもりでしたが、フィリピン特有の「デベロッパー格差」を甘く見ていました。

事例3:浅草民泊の教訓が活きなかった話
私は東京・浅草エリアで民泊を運営していた経験があります。民泊では「想定稼働率の7掛けで計画を組む」という鉄則を守っていたのに、セブのプレビルドでは「予定通り完成する」前提で計画を組んでしまいました。国内で培ったリスク管理の感覚を、海外投資にも同じ厳しさで適用すべきでした。[INTERNAL_LINK_2]

まとめ——セブのプレビルド遅延を乗り越えるために

この記事の要点3行

  • セブのプレビルドは引き渡し遅延が「標準」と考え、最低2〜3年の遅延を資金計画に織り込むべきです。
  • デベロッパーの実績・財務状況・DHSUD登録の確認を怠ると、私のように3年遅延で約200万円の損失を被ります。
  • セブのプレビルド投資自体は成長市場への有効なアプローチですが、正しい知識と慎重なデューデリジェンスが不可欠です。

次に取るべきアクション——まずは情報収集から始めてください

この記事を読んで「セブのプレビルドは怖い」と感じた方もいるかもしれません。しかし私が伝えたいのは「怖いからやめろ」ではなく「正しく怖がれ」ということです。

私はAFP(ファイナンシャルプランナー)として、また実際にフィリピンとハワイで不動産を保有する投資家として断言します。海外不動産投資で失敗する人の大半は「情報不足」が原因です。逆に言えば、十分な情報を得てから判断すれば、リスクは大幅にコントロールできます。

もしあなたがセブやフィリピンの不動産投資に興味があるなら、まずはプロから体系的に学ぶことを強くおすすめします。私自身、海外金融機関で営業していた時代に「独学の限界」を痛感しました。専門家の知見に触れることで、見えていなかったリスクが一気に可視化されます。

以下のオンラインセミナーでは、フィリピンを含む海外不動産投資の最新事情、物件選定の基準、遅延リスクへの対策などを無料で学べます。私のような失敗をする前に、ぜひ一度参加してみてください。

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筆者:Christopher/AFP・宅地建物取引士/株式会社代表。フィリピン(マニラ・セブ)・ハワイに実物件を保有、東京・浅草で民泊運営経験あり、海外金融機関での営業経験を持つ。自身の海外不動産投資の成功と失敗をもとに、実践的な情報を発信しています。

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