「決算が赤字だから融資は無理だ」と諦めていませんか。実は赤字決算でも融資を通す方法は存在します。私自身、法人代表として赤字期に資金調達を成功させた経験があります。本記事では、赤字でも融資を通すための具体的な手順・必要書類・失敗回避策を、AFP・宅地建物取引士の視点と実体験を交えてすべてお伝えします。
赤字決算でも融資を通すことは可能——結論から言い切ります
一言で言うと「赤字=融資不可」は誤解です
結論から申し上げます。赤字決算だからといって融資が100%否決されるわけではありません。金融機関が見ているのは「赤字の中身」と「返済原資の見通し」です。
日本政策金融公庫のデータによると、創業融資を含む小規模事業者向け融資の実行先には、直近期が赤字の企業も一定割合含まれています。つまり、赤字の理由を正しく説明し、将来の返済能力を証明できれば、融資審査を通過する道は確実に開けます。
重要なのは「赤字を隠す」ことではなく、「赤字を説明し尽くす」ことです。ここを取り違えると審査は一発で落ちます。
なぜその結論になるのか——3つの根拠
- 根拠①:赤字の種類によって審査評価が異なる。一過性の赤字(設備投資・減価償却増・一時的な特別損失)は、金融機関が「構造的な問題ではない」と判断する材料になります。営業利益が黒字で経常利益や最終利益だけが赤字のケースでは、融資が通る確率は大幅に上がります。
- 根拠②:キャッシュフローが黒字なら返済能力を証明できる。損益計算書が赤字でも、減価償却費を足し戻した簡易キャッシュフローがプラスであれば、実質的な返済原資は確保されていると評価されます。
- 根拠③:経営改善計画書の提出で加点される。日本政策金融公庫や信用保証協会付き融資では、赤字企業向けに「経営改善計画」を提出する制度が整備されています。AFP資格の学習過程でもキャッシュフロー分析は必須項目ですが、この計画書の精度が審査担当者の心証を大きく左右します。
私が赤字期に融資を通した実体験——すべてお話しします
法人2期目・赤字280万円で公庫に申し込んだ時の話
私はChristopherと申します。株式会社の代表として法人を設立・運営しており、AFP(日本FP協会認定)と宅地建物取引士の資格を保有しています。不動産はフィリピンのマニラとセブ、そしてハワイに実物件を持ち、東京・浅草エリアでは民泊運営の経験もあります。
法人2期目のことです。浅草の民泊物件の初期改装費用と、フィリピン不動産の管理費が重なり、決算は約280万円の赤字になりました。正直なところ「この決算書で融資なんて通るわけがない」と絶望に近い感情を抱いていました。
しかし、資金がなければ次の事業展開ができません。私は日本政策金融公庫の国民生活事業に500万円の融資を申し込みました。結果から言うと、満額ではなく350万円に減額されましたが、融資は実行されました。
通過の決め手は3つありました。第一に、赤字の内訳を1円単位で分解し、「一時的な設備投資による赤字であること」を資料で証明したこと。第二に、民泊の予約データ(Airbnbの管理画面スクリーンショット)を添付し、翌期の売上見込みを月次で提出したこと。第三に、個人名義の預金残高と海外不動産の評価額を補足資料として添えたことです。
面談は約40分間。担当者は赤字の理由よりも「なぜ翌期に黒字転換できると言えるのか」に時間を割いて質問してきました。
そこから学んだこと——数字で語ることの重要性
この経験で私が得た最大の教訓は、「赤字そのものではなく、赤字の説明精度が審査を決める」ということです。
具体的な数字をお伝えします。私が提出した経営改善計画書では、民泊の月間稼働率を68%(実績値)から75%(改善目標)に設定し、月間売上を約42万円から約52万円に引き上げるシナリオを描きました。根拠として、浅草エリアのインバウンド宿泊需要が前年比で約18%増加していた観光庁の統計データを引用しました。
担当者は「このシナリオは現実的ですか?」と何度も聞いてきましたが、実績データと公的統計の二重の裏付けがあったため、最終的に納得してもらえました。数字を「感覚」ではなく「根拠付きの事実」として提示することが、赤字でも融資を通す最大の武器です。
赤字で融資を通すための具体的手順——5ステップで解説
ステップ別の実行手順
| ステップ | 内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| 1 | 赤字の要因分析:決算書を営業利益・経常利益・最終利益に分解し、赤字が一時的か構造的かを特定する。 | 1〜2日 |
| 2 | 簡易キャッシュフロー計算:最終利益+減価償却費=簡易CFを算出。プラスなら返済原資ありと主張できる。 | 半日 |
| 3 | 経営改善計画書の作成:翌期以降の月次売上・経費・利益計画を作成。根拠となる市場データや受注実績を添付する。 | 3〜5日 |
| 4 | 補足資料の準備:個人資産明細、取引先との契約書、過去の入金実績(通帳コピー)など。審査担当者の「不安要素」を先回りしてつぶす。 | 2〜3日 |
| 5 | 金融機関への申込み・面談:日本政策金融公庫、信用金庫、信用保証協会付き融資の順に検討。面談では赤字の説明を最初の5分で完了させる。 | 申込みから2〜4週間 |
このステップのうち、最も時間をかけるべきはステップ3の経営改善計画書です。私が公庫の面談を通過できたのも、この計画書の解像度が高かったからだと確信しています。
初心者が最初にやるべきこと
「何から手を付ければいいかわからない」という方は、まず自社の決算書を手元に用意し、以下の3つの数字を確認してください。
①営業利益の正負:本業で利益が出ているかどうか。これがプラスなら「赤字の質は悪くない」と言えます。
②減価償却費の金額:この金額が大きいほど、簡易キャッシュフローは改善します。
③借入金の返済スケジュール:既存借入の年間返済額と簡易CFを比較し、返済余力があるかを確認します。
この3点が整理できれば、金融機関に相談する際の準備は半分以上完了しています。[INTERNAL_LINK_1] 決算書の読み方に不安がある方は、関連記事もあわせてご覧ください。
赤字融資で失敗する人の共通点——注意点と実例
よくある失敗3つ
- 赤字の理由を「景気のせい」で片付ける。審査担当者は「外部要因だけを語る経営者」を最も警戒します。赤字には必ず内部要因もあります。原価率の上昇、人件費の増加、広告費の過剰投下など、自社でコントロールできる要素を認め、改善策をセットで提示しなければ信用されません。
- 資金使途が曖昧なまま申し込む。「運転資金として」とだけ書いて申し込むのは致命的です。月次の資金繰り表を添付し、いつ・何に・いくら必要かを明示してください。
- 複数の金融機関に同時申込みする。信用情報に照会履歴が残るため、「余裕がない会社」と判断されるリスクがあります。申込みは1社ずつ、優先順位を付けて行うのが鉄則です。
私や周囲で実際に起きた失敗例
私自身の失敗を正直にお伝えします。浅草の民泊事業を始める前、海外金融機関で営業をしていた時期がありました。その経験から「金融の話は得意だ」と過信し、法人1期目に地方銀行へプロパー融資を申し込んだことがあります。
結果は否決でした。理由は明快で、1期目の決算は売上がまだ小さく、赤字額こそ少なかったものの「事業実績が不十分」と判断されたのです。当時の私は「海外での金融営業経験があるから信用してもらえるだろう」と甘く考えていました。しかし銀行が見るのは個人の経歴ではなく、法人としての財務データです。この時の痛い教訓があったからこそ、2期目には徹底的にデータを揃えて公庫に臨むことができました。
また、知人の経営者(飲食業・都内)は、2期連続赤字の状態で信用保証協会付き融資に申し込みました。彼は経営改善計画書を作成せず、口頭で「来期は黒字にします」とだけ伝えたそうです。当然、否決。その後、税理士と一緒に月次計画書を作り直し、再申込みで800万円の融資を獲得しました。計画書の有無だけでこれほど結果が変わるのです。
[INTERNAL_LINK_2] 経営改善計画書の具体的なテンプレートについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ——赤字でも融資を通すために今すぐ動きましょう
この記事の要点3行
- 赤字=融資不可ではない。赤字の種類(一時的か構造的か)と簡易キャッシュフローの正負が審査の分かれ目です。
- 経営改善計画書の精度がすべてを決める。月次の売上・経費・利益計画を数字と根拠で裏付けた資料を必ず作成してください。
- 赤字を隠すのではなく、説明し尽くす姿勢が信用を生む。私自身、赤字280万円の決算で350万円の融資を実行してもらった経験が、その証拠です。
次に取るべきアクション
あなたが今すぐやるべきことは、「自社が融資を受けられる状態にあるかどうか」を客観的に把握することです。赤字決算であっても、融資を通す方法は確実に存在します。ただし、自己判断だけで進めると、私のように1期目に否決されて時間を無駄にするリスクがあります。
まずはプロに相談し、自社の財務状況で融資可能な金額と最適な申込先を診断してもらってください。以下のサービスでは、無料で融資可能額のシミュレーションを受けられます。赤字で悩んでいるなら、動くのは早ければ早いほど選択肢が広がります。
赤字だからといって立ち止まる必要はありません。正しい準備と正しい順序で動けば、融資は通ります。この記事が、あなたの次の一歩を後押しできれば幸いです。

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