法人化の無料相談を税理士5社で受けた私が、正直に言います。「無料だから気軽に」と臨んだ最初の相談は、完全に時間の無駄でした。聞くべきことを整理せず、相手の土俵でトークを終えてしまったからです。この記事では、AFP・宅地建物取引士として法人を設立・運営してきた私が、無料相談を「本当に使える場」に変えるための7つの視点を具体的にお伝えします。
結論:税理士の法人化無料相談は「準備8割」で価値が決まる
一言で言うと、無料相談は情報収集ではなく「意思決定の場」として使うべきです
多くの個人事業主が法人化の無料相談を「まず話を聞いてみよう」という情報収集の場として使います。これは間違いです。税理士側も無料相談は営業の入口として設計しているため、こちらが受け身のままだと「顧問契約を勧められて終わり」になります。
無料相談を機能させるには、あなたが「この条件ならいつ法人化するか」という仮説を持ち込み、税理士に検証してもらう場として使うことが重要です。準備した人だけが、30〜60分の無料枠から数十万円相当の判断材料を引き出せます。
その結論に至る根拠3つ
- 税理士の無料相談は平均30〜60分に設定されており、話題を絞らないと表面的な説明で終わる。私が相談した5社のうち4社は、最初の15分を法人化のメリット説明に使っていました。これはパンフレットに書いてある内容と同じです。
- 法人化の判断基準は「所得水準」「社会保険料の変化」「事業継続意思」の3軸で決まる。AFP資格を持つ私の目線では、この3点を事前に自分で試算した上で相談に臨まないと、税理士の答えも「ケースバイケースです」で終わります。
- 無料相談の質は税理士事務所の規模より「担当者の経験年数」と「法人成り実績数」で差が出る。私が相談した中で最も質が高かったのは、個人事務所の税理士でした。大手だからといって良質な相談が受けられるわけではありません。
私が税理士5社に相談した時の実話
2023年、法人設立直前に感じた「相談疲れ」の正体
私がフィリピン・マニラの物件(2021年に購入)の収益を日本の法人で管理しようと考え始めたのは2022年末のことです。当時、個人事業主として海外不動産収入と国内の民泊収入(浅草エリアで運営)を合算すると、課税所得が年間約900万円を超えていました。
「このまま個人で申告し続けるのは非効率だ」と感じ、2023年1月から3月にかけて、税理士5社の無料相談を順番に受けました。費用は0円ですが、移動時間と準備時間を含めると合計で約20時間を費やしました。
最初の2社は「法人化すれば節税になります」という説明を30分聞いて終わりました。3社目でようやく「海外不動産収入を法人で受け取る場合の税務リスク」について具体的な話が出てきましたが、それは私が事前に論点を紙に書いて持参したからです。4社目と5社目は比較対象として、意図的に何も準備せずに臨みました。結果、やはり一般論の説明で終わりました。
この経験から確信したのは、「無料相談の質は、8割が相談者の準備で決まる」という事実です。
5社比較から数字で学んだこと
5社の相談を通じて得た具体的な数値比較は以下の通りです。私の場合、法人化による税負担の変化は「個人の所得税・住民税合計」と「法人税・社会保険料合計」の差額で計算しました。
課税所得900万円の場合、個人の実効税率は約33〜35%、法人化後(役員報酬を適切に設定)の実効負担は約25〜28%程度になるという試算が5社中3社で一致しました。残り2社は「顧問契約後に詳細試算」という回答で、無料相談での数値提示を避けていました。
また、設立費用については法人登記の実費(株式会社で約24万円)は全社共通でしたが、税理士報酬(顧問料)の見積もりは月額1.5万円〜5万円と大きな開きがありました。この差を事前に把握できたことが、後の判断に大きく役立ちました。
無料相談を使い倒す7視点:比較の手順と初動
税理士5社比較で機能した7つのチェック視点
以下は私が実際に使ったチェックリストを整理したものです。無料相談の前にこれを準備するかどうかで、得られる情報量が大きく変わります。
| 視点 | 確認すべき質問 | 判断基準 |
|---|---|---|
| ①損益分岐所得 | 私の所得水準で法人化は有利になるか | 具体的な数字を出してくれるか |
| ②社会保険料 | 役員報酬をいくらに設定すべきか | 試算シートを提示できるか |
| ③設立形態 | 株式会社か合同会社かの選択根拠 | 私のビジネスモデルに即した回答か |
| ④事業年度 | 決算月をいつに設定すべきか | 消費税の免税期間を考慮しているか |
| ⑤顧問料体系 | 月額・決算料の合計年額はいくらか | 明確な数字を提示するか |
| ⑥海外収入対応 | 外国税額控除の実務経験があるか | 過去の対応実績を聞けるか |
| ⑦レスポンス速度 | 質問への回答は何営業日以内か | 明言できる事務所は信頼度が高い |
視点⑥は私の事情(フィリピン・ハワイの海外不動産を保有)に特化したものですが、海外との取引がなくても「自分のビジネスの特殊性」を一つ入れておくことで、税理士の実務力が見えます。
初心者が無料相談前にまずやるべきこと
相談前の準備は2ステップで十分です。まず、直近1〜2年の課税所得を自分で計算します。確定申告書の「課税される所得金額」欄の数字を見るだけでOKです。次に、法人設立に必要な書類と手順を事前に把握しておきます。
書類の準備に不安がある場合は、マネーフォワード クラウド会社設立のような無料ツールを使って、定款や登記書類のひな形を事前に確認しておくと、相談時の会話が格段に具体的になります。[INTERNAL_LINK_1]
書類の全体像を把握した状態で税理士に会うと、「この定款の事業目的の書き方はこれで良いですか」という具体的な質問ができます。漠然と「法人化すべきですか」と聞くより、得られる情報の深度が全く違います。
無料相談でやってしまいがちな失敗と注意点
よくある失敗3つ
- 「とりあえず話を聞く」姿勢で臨む。準備なしの相談は、税理士事務所のパンフレットを口頭で読み上げてもらうだけで終わります。相談後に「何がわかったか」を言語化できない状態になります。私は最初の2社でこれを経験し、合計2時間を無駄にしました。
- 複数社を比較しないまま1社目と顧問契約を結ぶ。税理士との契約は長期にわたります。最初の相談で「感じが良かった」という理由だけで即決するのは危険です。顧問料の年額差は事務所によって10万円以上開くことがあります。私の周囲でも、後から「もっと安くて対応が良い先生がいた」と後悔した経営者が複数います。
- 自分の事業内容を正確に伝えない。「個人事業主で副業あり」と伝えるだけでは不十分です。収入の種類(事業所得・不動産所得・雑所得)、海外取引の有無、インボイス対応状況など、具体的な情報を整理して持参しないと、税理士の回答も一般論になります。
私と周囲で実際に起きた失敗例
私自身の失敗を一つ挙げると、法人設立時の「事業年度の設定」を深く考えずに12月決算にしてしまったことです。個人の確定申告(1〜3月)と法人の決算作業が同時期に重なり、2024年の年明けは書類の嵐でした。税理士に相談していれば避けられた問題でしたが、当時は「とりあえず設立を急いでいた」ため、この論点を相談しませんでした。
また、私の知人(都内で飲食店を2店舗経営)は、無料相談で勧められるまま消費税の課税事業者を選択する届出を提出してしまいました。本来は免税事業者として2年間様子を見るべきケースでしたが、担当税理士の説明が不十分だったため、設立初年度から消費税の申告義務が発生し、約60万円の追加負担が生じました。これは、相談者側が「消費税の免税期間」という論点を事前に知っていれば防げた話です。[INTERNAL_LINK_2]
AFP・宅地建物取引士として断言しますが、税務の無料相談における「損」は、知識不足による論点の見落としから発生します。相談前の自己学習は必須です。
まとめ:無料相談は「使う人間の準備」が成否を分ける
この記事の要点3行
- 税理士の法人化無料相談は、7つの視点(所得・社会保険・設立形態・事業年度・顧問料・海外対応・レスポンス)を準備した人だけが深い情報を引き出せる。
- 5社比較で確認した通り、無料相談の質は税理士事務所の規模ではなく、担当者の実務経験と相談者の準備量で決まる。
- 書類の全体像をツールで把握し、自分の課税所得を試算した上で相談に臨むことで、30〜60分の無料枠を実質的な意思決定の場に変えられる。
次に取るべきアクション
まず、会社設立に必要な書類の全体像を無料で把握することから始めてください。定款・登記書類のひな形を事前に確認しておくだけで、税理士との相談の質が大きく上がります。マネーフォワード クラウド会社設立なら、株式会社・合同会社を問わず、設立に必要な書類を無料で作成できます。私も法人設立の際に定款のひな形を参照しており、実務上の信頼性を確認しています。
書類の準備を済ませた状態で無料相談に臨む。この順番を守るだけで、あなたの法人化の判断精度は大幅に上がります。

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