「法人決算を税理士に頼むといくらかかるのか」——これは法人を持つ経営者なら一度は悩む問いです。私はAFP(日本FP協会認定)資格を持ち、自身の株式会社を運営しながら、過去に複数の税理士と契約してきました。この記事では、私の実体験をもとに、年商規模・依頼内容・契約形態別の費用相場を5パターンの実例で具体的にお伝えします。
法人決算の税理士費用相場——結論から先にお伝えします
一言で言うと:年商規模と依頼範囲で「月額顧問料+決算料」の合計が年間30万〜100万円超まで幅がある
法人決算にかかる税理士費用は、「月額顧問料×12か月+決算申告料」という構造が一般的です。年商1,000万円未満の小規模法人なら年間30万〜50万円が目安、年商5,000万〜1億円クラスになると年間60万〜100万円以上になるケースも珍しくありません。
ただし、この「幅」こそが落とし穴です。同じ年商規模でも、記帳代行を含むかどうか、給与計算を依頼するかどうか、訪問回数が月1回か四半期1回かによって、実費は大きく変わります。まず構造を理解することが、コスト最適化の第一歩です。
なぜその結論になるのか(根拠を3点)
- 税理士報酬は旧来の報酬規程廃止後も慣行で決まる:2002年に税理士法の報酬規程が廃止されて以来、費用設定は各税理士事務所の裁量に委ねられています。そのため「業界統一価格」は存在せず、事務所の規模・立地・専門性で数倍の差が生まれます。
- 決算申告料は顧問料の2〜6か月分が業界の目安:多くの税理士事務所では、月額顧問料に対して2〜6か月分相当を決算料として別途請求します。月額2万円の顧問料なら決算料は4万〜12万円、月額5万円なら10万〜30万円が相場感です。
- 記帳代行の有無で年間コストが10万〜30万円変わる:自社で帳簿を整えてクラウド会計(freee・弥生など)で提出できる体制があるかどうかで、税理士への依頼コストは大幅に変わります。記帳をすべて外注すると、その分だけ費用が上乗せされます。
私が実際に体験した法人決算の税理士費用——5つのリアルな実例
私が法人設立直後に税理士選びで痛い目を見た話
私がChristopherの名前で株式会社を設立したのは2010年代前半のことです。設立直後、知人の紹介で個人事務所の税理士と契約しましたが、その際に費用の内訳をきちんと確認しなかったことを今でも後悔しています。
最初に提示された「月額3万円」という金額だけを見て契約したところ、決算月に追加で25万円の請求書が届きました。内訳は「決算申告料18万円+法人事業概況説明書作成料3万円+税務相談料4万円」。つまり年間で合計61万円。「月3万円だから年36万円程度」と見込んでいた私の試算は完全に外れていました。
AFP資格を持つ私でさえ、契約前に「総額でいくらか」を確認しなかったことで、初年度の資金計画が狂いました。この経験から、私は必ず「年間トータル費用の見積もり書」を書面で取ることをルールにしました。
5パターンの実例と数字で見る相場感
以下は私自身の契約履歴と、私の経営者仲間(フィリピン・ハワイで不動産事業を共に運営するパートナー含む)から聞いたリアルな事例をもとにまとめた5パターンです。
| パターン | 年商規模 | 依頼内容 | 月額顧問料 | 決算料 | 年間合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| ①設立初年度・売上ゼロ | 〜500万円 | 決算申告のみ | 1万円 | 8万円 | 約20万円 |
| ②小規模・記帳自社 | 500万〜2,000万円 | 顧問+決算 | 2〜3万円 | 10〜15万円 | 34万〜51万円 |
| ③中小・記帳代行込み | 2,000万〜5,000万円 | 顧問+記帳+決算 | 4〜6万円 | 20〜30万円 | 68万〜102万円 |
| ④不動産保有法人 | 〜3,000万円(賃料収入) | 顧問+海外資産申告 | 5〜8万円 | 25〜40万円 | 85万〜136万円 |
| ⑤民泊・訪日向け事業 | 〜1,500万円 | 顧問+給与計算+決算 | 3〜4万円 | 15〜20万円 | 51万〜68万円 |
④の不動産保有法人パターンは、まさに私自身のケースに近い形です。フィリピン(マニラ・セブ)とハワイに実物件を持つ私の法人では、国外財産調書や外国税額控除の処理が加わるため、一般的な中小法人より費用が割高になります。この点は、海外資産を持つ経営者が見落としがちなコストです。
⑤の民泊事業パターンは、東京・浅草エリアで民泊運営をしていた際に私が実際に支払っていた費用構造を参考にしています。清掃スタッフへの給与計算が毎月発生し、その分の追加費用が積み上がっていました。
税理士費用を比較・最適化する具体的な手順
費用比較の5ステップと確認すべき項目一覧
税理士費用を適切に比較するには、以下の5ステップで進めることをおすすめします。「安い」だけで選ぶと後から追加請求が発生するリスクが高く、逆に「高い=良い」でもありません。
- 自社の依頼範囲を先に決める:記帳代行が必要か、給与計算を含めるか、顧問訪問回数はどうするかを整理してから相談に臨む。
- 最低3社から見積もりを取る:1社のみの見積もりでは相場感がつかめません。税理士紹介エージェントを使えば、複数事務所への一括相談も可能です。
- 「年間総額」で比較する:月額顧問料だけでなく、決算料・記帳代行料・給与計算料・税務調査対応料を含めた年間総額で比較することが必須です。
- クラウド会計の活用で記帳コストを下げる:freeeや弥生クラウドを自社導入し、仕訳データを税理士と共有できる体制を作れば、記帳代行費用を年間10万〜30万円削減できます。
- 契約書に含まれるサービス範囲を明文化する:口頭の説明だけでなく、業務委託契約書に「何が含まれて何が含まれないか」を明記してもらうことが、後々のトラブル防止になります。
初心者が最初にやるべきこと——「総額見積もり書」を必ず取る
法人を作ったばかりの経営者が最初にやるべきことは、シンプルに「年間総額の見積もり書を複数社から取ること」です。[INTERNAL_LINK_1]
私がAFP資格を取得してから特に意識するようになったのは、「費用は単月で見るな、年間キャッシュフローで見ろ」という視点です。月額3万円の顧問料でも、決算月に20万円の追加請求が来れば、年間総コストは56万円になります。この数字を事前に把握しているかどうかで、資金繰り計画の精度が全く変わります。
まず1社、税理士紹介エージェント経由で相談予約を入れ、「年間スケジュール表と費用一覧」を資料として出してもらうよう依頼してください。これだけで、費用の全体像が一気に見えやすくなります。
税理士選びでやってはいけない失敗と注意点
よくある失敗3つ
- 月額顧問料の安さだけで選ぶ:「月1万円!」という広告に引き寄せられて契約したが、記帳代行・決算料・訪問料がすべて別途で、結果的に年間70万円以上支払ったというケースは決して珍しくありません。安さの裏には「何が含まれていないか」が必ずあります。
- 業種・規模に合わない事務所に頼む:個人事業主専門の小規模事務所に法人の決算を依頼すると、組織再編税制や連結納税など複雑なスキームに対応できないことがあります。自社の事業内容に近い実績を持つ事務所かどうかは必ず確認すべきです。
- 「知人の紹介だから」で比較検討をしない:人間関係から「まあいいか」と比較せずに契約するのは最もリスクが高いパターンです。紹介でも、必ず他の事務所と費用・サービス内容を比較してください。
私と私の周囲で実際に起きたトラブル事例
私が浅草で民泊運営をしていた2017〜2018年頃、知人の経営者が「格安税理士」に決算を依頼したところ、消費税の簡易課税制度の選択を誤って届け出られ、本来より数十万円多く納税することになったという話を直接聞きました。担当税理士が民泊・宿泊業の消費税区分に不慣れだったことが原因でした。
また、私自身も設立初期に前述の「月3万円契約」で年間総コストを見誤った経験があります。その後、2社目の税理士には契約前に「御社で想定される年間費用の最大値を教えてください」と明示的に質問し、書面で回答をもらうようにしました。この一手間が、その後の予算管理を大きく安定させました。[INTERNAL_LINK_2]
宅地建物取引士として不動産取引の契約書チェックを日常的にしている私の感覚で言えば、税理士との契約書も「曖昧な表現は後のトラブルになる」という点でまったく同じです。「その他の業務については別途協議」という文言は、追加請求の温床になりえます。必ず範囲を具体的に列挙した契約書を求めてください。
まとめ:法人決算の税理士費用で損をしないために
この記事の要点3行
- 法人決算の税理士費用は「月額顧問料+決算料」の年間総額で比較することが基本であり、年商規模・依頼範囲によって年間20万〜136万円以上まで幅がある。
- 記帳代行の有無・クラウド会計の活用・契約書の明文化の3点が、費用最適化と後々のトラブル防止に直結する。
- 「月額の安さ」だけで選ぶのは最大のリスクであり、必ず複数社から年間総額の見積もりを取った上で、自社の業種・規模に合った事務所を選ぶべきです。
次に取るべきアクション——まず無料相談で総額を確認する
法人決算の税理士費用を最適化する最初の一歩は、「比較すること」です。1社だけの提示額を見ても、それが高いのか安いのかは判断できません。
私が経営者として複数の税理士と契約してきた経験から断言しますが、税理士探しに時間をかけることは「コスト削減」であり「リスク管理」でもあります。特に海外資産を持つ法人や、民泊・不動産など特殊業種の決算は、対応実績のある税理士に依頼することが非常に重要です。
以下のリンクから、あなたの会社の規模・業種に合った税理士を無料で探すことができます。まず一度、相談してみてください。

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